2023年10月
昨年も取り上げましたが、10月10日は世界精神保健連盟が定めた「世界メンタルヘルスデー」です。今年は10代から20代の「こころの健康」をテーマに、メンタルヘルスやこころの不調について改めて考えるということです。
一般に、こころの不調が起きることは悪いことだとネガティブにとらえられがちですが、臨床心理学にはネガティブとされる現象の中から、ポジティブな意味を見出そうとする視点があります。確かに、こころの不調は重くなると社会生活や日常生活を停止させたり、大きく変えてしまうことがあります。なぜ自分が、家族がと焦り、悲しみ、苛立ち、ときには絶望的にもなってしまうかもしれません。
ですが、こころの不調は生き方を見直すチャンスでもあるのです。これまで無理をし過ぎた、させ過ぎたのではないか、本来の自分とは何か、夫や妻、親として、職業人として、家族や友人、同僚との関係など、人生を振り返り、自分のこころに問いかける時間を与えてくれている、そういう視点から見ることで受け止め方はずいぶん変わってきます。
こころや身体は自分に正直です。どんな人でも人生を振り返る時期がやってきます。こころの不調はそれを教えてくれているのです。
ワンポイントアドバイス こころは人とのかかわり・つながりの中で育まれてきました。人との関係性の中でしか届かないこころの部分があります。予防のためにも周りの人たちとのつながりを再確認してみてくださいね。