COLUMN

こころの境界線とメンタルヘルス

今年の夏はオリ・パラリンピックで盛り上がりましたね。選手の活躍に熱狂したり、感動したりした方も多かったと思いますが、残念ながらその中でも、選手に対してのSNSによる誹謗中傷のニュースも聞かれました。

人が見ているだけで熱狂したり、感動したりできるのは、自分の中に実際に体験している人の感情の一部を取り込むためであると臨床心理学では考えます。別の言い方をすると人の表情や声を見たり聞いたりすると心的な共鳴が起き、疑似体験が起きるのです。共感性や同調性とも関連がある現象ですが、取り入れたものに対してどう反応するかは、相手との関係性や距離感、個々の経験や感じ方・受け止め方によって違ってきます。

SNSのような場所で誹謗中傷してしまうのは、SNSという世界の境界線の曖昧さも相まって、ショックや衝撃を他人と共有することや自分の中で収めることができず、吐き出すことしかできなくなるためです。その背景にあるのは感じやすさや、傷つきやすさ、耐性の低さではありますが、本人に実感がないために繰り返してしまうことになります。

愚痴や文句を言いたくなることは誰にでもありますが、同時に自分のこころの状態にも目を向けてみましょう。

ワンポイントアドバイス 自分が感じていることに気づき、考え、理解することはストレス耐性を高めてくれます。その近道は誰かに話してみることです。

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